第53回 食品産業技術功労賞を受賞しました!

この度、「メルティークビーフ」が第53回 食品産業技術功労賞の商品・技術部門にて受賞いたしました!
発売開始から40年が経ちますが、このような賞をいただけたのも、日頃の皆様のご支持があってのことです。
今後も、「メルティークビーフ」のご愛顧と今後の進化にご期待賜りますようお願い申し上げます。

ホクビーサーロインブロック01
【第53回 食品産業技術功労賞】商品・技術部門 ㈱ホクビー「メルティークビーフ」 

 ㈱ホクビーが1982年から発売している「メルティークビーフ」は、フランス料理の技法である「ピケ」とハム製法の「インジェクション」からヒントを得て同社が独自開発した牛脂注入肉。原料となる赤身肉のうま味をそのままに適度なサシが入り、柔らかく、ジューシーな食感を楽しむことができる。
個体差がある正肉に比べて「メルティークビーフ」は均質性が非常に優れている。“切るだけ”“焼くだけ”の使い勝手のよさから、ファミリーレストランや焼肉チェーン、宿泊施設、給食事業者など広く採用されているほか、豪州やアジア市場でも展開している。

 「牛脂注入肉」のパイオニアでありながら、市場が変わり続けることを常に意識し、常に改良・改善を行っている。近年は添加物や細菌検査、アレルゲンへの要望の高まりを受け、原料の全量検査や、リン酸塩および乳を含む物質の不使用、自社PCR検査の導入などを進めている。
今後の目標は、外食以外の市場を開拓すること。市場との対話を通じてさらなる商品開発・改良を進めていく。

環境変化に対応し、進化をつづける―ホクビー瀧澤克則社長

 このたびは「第53回食品産業技術功労賞」に選出いただき、誠にありがとうございます。

 1972年創業の当社は、レストラン事業からスタートし、80年代に入ってから業務用の畜肉加工品の製造・販売を手掛け、お客様の課題解決につながる商品やメニュー提案に長きに渡り力を注いできました。当時、我々のような業務用商品のメーカーは世の中で目立つことなく、むしろ、そのことがよしとする風潮もありました。今回、当社の核となる「メルティークビーフ」を商品・技術の部門で認めていただけたこと、この仕事を続けてきてよかったと感慨深く思っております。今回の受賞は当社の従業員にとって大いに励みになったと受け止めております。

 「メルティークビーフ」は発売から40年が経ちますが、その時々の環境の変化に応じて進化しており、全国のさまざまな業態のお客様から支持を頂いております。日本のみならず、海外でも多くのお客様にご利用いただいております。2001年に豪州の現地法人「Hokubee Australia Pty Ltd」(NSW州)を設立し、現地での生産を開始しました。現在、豪州での生産量の3分の1は現地で消費されています。そのほか、東南アジアを含め世界26カ国で「メルティークビーフ」が販売され、現地でブランドが確立されつつあります。

 これからも全方位に向けて「メルティークビーフ」を提案していきたいと考えています。例えば、高齢者の方・育ち盛りの方に向けて健康・栄養面を訴求するなど、マーケットとの対話を通じて提案してまいります。「牛脂注入肉」という、今まで世の中になかったものを生み出した自負があります。今後も「メルティークビーフ」を進化させ続け、食品業界に貢献してまいります。


均質性とおいしさを重視し商品開発―ホクビー齊藤宏樹部長

 「メルティークビーフ」を開発した1982年当時、牛肉は高価な食材でした。酪農が盛んな北海道は乳用牛が多く、おいしい赤身肉を利用できる環境にありました。しかし肉質が硬いことから、ほとんどがハンバーグなどに加工されていました。そこでもっとおいしく食べてもらうため、ステーキへのニーズを乳用牛の赤身肉で供給できるよう付加価値を高めることができないかという思いが開発の発端でした。

 商品開発では、均質性が高く、やわらかく、おいしく、安全であることを常に重視しながら進めています。営業面では、全国各地のお客様のもとに営業社員が訪問し、意見を伺い、それを実現させていくという取組みが、苦労はあるものの、最もやりがいのあるところです。

 「メルティークビーフ」は発売40年以上のロングセラー商品ですが、この間、市場を意識し変わり続けることを常に考え、改善・改良を行ってきました。とくにアレルゲンの対応では、お客様からの要望を反映し、原材料には7大アレルゲン(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)を全く使用しておりません。また、原料の全量検査を行うなど、安全性にも力を入れてきました。これからも、食べておいしい、安全であるということを大切にしながら、環境の変化に柔軟に対応し、商品開発・市場開拓を進めてまいります。

Content by 食品産業新聞社 HARUHIKO UKAJI